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偏愛的独白

bambino

『bambino(バンビーノ)』 シアター・サンモール 2006年3月29日~4月16日

原作:飛川直也 脚本・演出:堤泰之 振付:上島雪夫 音楽:エザキマサル
出演:圭介(斉藤祥太)、拓哉(森山栄治)、数馬(岡田亮輔)、竜太(伊藤陽佑)、慎一郎(吉田友一)、優(三浦涼介)、彰吾(鷲尾昇)、健(篠田光亮)、ザウルス(JURI)、淳(渡 航輝)、正輝(竹尾一真)、時田(柏進)、栄村(水谷あつし)

新宿二丁目ウリセン物語
飛川 直也
4309016634


新宿二丁目のウリセンバー「bambino(バンビーノ)」を舞台に、行き場のない傷ついた若者たちが、葛藤を繰り返しながら前へ進んでいこうとする、哀しくも心温まるエピソードの数々を描く・・・とのこと。
出演者が、ドラマでお馴染みであったり、テニミュや特撮で人気があったりと、イケメン俳優を揃えた感じだ。
ロビーでパンフレット1500円とトレカ400円を買う。トレカは、出演者13人のどれかが入っているそうだが、私は、3つ買い、2つは同じ人だった(^^;)。
DM先行予約でとったチケットも、最後列。劇場が狭いので、それでも、よく見えたが。
出演者が、かっこよくて元気一杯なので、一瞬、ウリセンバーの話だということを忘れてしまう。なかなか脚本も凝っていて、笑いをとりながら、ほろりとさせる。つい、男の子たちに頑張ってと言いたくなるが、果たしてそれでいいのか(^^;)。
根底には、深刻な問題があるはずなのだが。

以下、舞台の内容に触れます。








舞台の右手で、一人ギターを弾きながら歌う青年(伊藤陽佑)。ストリートライブらしい。のちに、この青年も、バーのボーイとなる。
第一章「圭介」、第二章「数馬」というふうに、場面ごとに、ボーイの名前がつけられていて、彼ら一人ひとりのエピソードがつづられていく。
ボーイたちの軽妙なやりとりから、ウリセンバーの実態や変な趣味の客のことなどが浮き彫りにされ、笑いが絶えない。ちなみに、ボーイたちは、ほとんどがゲイではない。仕事で、男性と寝ているだけだ。

新宿二丁目がどういう街かも知らずに、面接に来た圭介に、マスターは、オカマ口調で話す。
「借金、いくらありますか?ウチで働いてさっさと借金返して、辞めちゃいなさいね。」と。
やる気のなさそうな圭介だが、マスターの人柄やボーイ達の生き様に触れ、だんだんと変わっていく。
店のナンバー1の数馬は、常にお客さんを喜ばせることを考えていた。数馬を演じた岡田亮輔くんは、印象的だった。
また、お金ができると去っていき、借金ができると戻ってくる慎一郎は、ある日、マスターがボーイ達のためにためておいた金を盗もうとして・・・。
ここでは、マスターの親心が感じられて、胸が熱くなる。
森山さん演じる拓哉は、みんなから、シゲさんと呼ばれ、誰も、拓哉という源氏名で呼んでくれないという設定で、お笑いを担当していた。
が、「優と拓哉」の章では、深刻な事態に。拓哉と優の兄弟は、母親に捨てられ生きていくためにここへ来たが、憎んでいた母親の病気の知らせが届く。動揺する優と憎しみをぶちまける拓哉。
母を憎みながらも、仲間たちの説得により、素直になり、マスターに母親に会いに行きたいと願い出る。
この章は、なかなかよかった。思いを振り絞る演技を森山さんは得意とする。舞台慣れだろうか、貫禄を感じさせた。思わず、涙ぐんでしまった。
ストリートシンガーだった竜太は、マスターに拾われてやってきたが、マスターの恩を仇で返そうとして、ザウルスや圭介や健に詰め寄られる。
以前は、数馬にいろんなことを教えてもらった圭介が、今度は、竜太の心に訴えかけるのが印象的だった。
そして、最後の章は、マスターの誕生祝いの話。ボーイ達が、それぞれプレゼントを持ってやってくる。ここも、じわーっときた。
ええ、話やなあ(;_;)。
ミュージカルではないので、歌も踊りも少ないが、「バンビーノ~」という歌と、竜太の作った歌は、いい歌であった。
ラストも、「バンビーノ」の歌で、会場も手拍子して、楽しく終わる。
そのノリで、原作を読むと、ほろりともしない・・・というか、舞台の感動が急に絵空事のようになってしまう。
あの原作からいいエピソードを抜き出し、更に脚色してドラマティックにした脚本はすばらしいし、エンターテイメントとしては、成功しているが、原作の深刻さは伝えていないように思った。
舞台のあとで原作を読んで印象が薄かったのは、原作のほうが飾らない真実を伝えていたからかもしれない。


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