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偏愛的独白

ミー&マイガール

ミュージカル『ミー&マイガール』

2009/6/3-6/28 帝国劇場

作詞・脚本=L・アーサー・ローズ&ダグラス・ファーバー
作曲=ノエル・ゲイ
改訂=スティーブン・フライ
改訂協力=マイク・オクレント

翻訳 丹野郁弓
訳詞 高橋亜子
演出 山田和也

音楽監督 佐橋俊彦
歌唱指導 北川潤
振付 玉野和紀
装置 大田創
照明 高見和義
衣裳 小峰リリー
ヘアメイク 宮内宏明
音響 山本浩一
音楽監督補・指揮 塩田明弘
演出助手 寺秀臣・落石明憲

オーケストラ 東宝ミュージック(株)
 (株)ダット・ミュージック

プロデューサー 岡本義次・吉田訓和

製作 東宝

上演時間 約3時間(25分の休憩含む)

S席12500円 A席8000円 B席4000円

キャスト
井上芳雄 (ビル)
笹本玲奈 (サリー)

本間憲一(ジェラルド)
貴城けい(ジャッキー)
涼風真世(マリア公爵夫人)
草刈正雄(ジョン卿)

武岡淳一(弁護士パーチェスター)
丸山博一(執事チャールズ)
阿部 裕(バターズビー卿)

伊東弘美(ミセス・ブラウン)
福麻むつ美(バターズビー夫人)
花房 徹(ジャスパー卿)


タイトルは知っていたけど、観るのは初めて。
宝塚でも公演しているので、CM等で、有名な旋律だけは聞いたことがあった。
ランベス・ウォークと呼ばれる踊りがあって、キャストと観客が一体となって盛り上がるらしい。
キャストが客席に降りてくるので、通路席がおいしいらしい。
などなどの事前情報もあり、とても楽しみにしていた。
チケット争奪戦は、ゆるゆるで、C列サブセンターとD列サブセンター通路席をとる。
1公演は、井上くんファンの友人と、もう1公演は、帝劇初観劇の友人と観る。

ミュージカルは、好き嫌いがあると思うので、初観劇の友人が楽しんでくれるか心配だったが、明るくてハッピーなお話で、衣装も素敵なので、かなり喜んでもらえて、うれしかった。
私も、もちろん、ハッピーな気分になり、帰宅してからも、鼻歌を歌ったりしていた。

開演30分前にロビーで、指揮者の塩田さんとオーケストラのメンバーが出てきて、イベントをするということだったが、こちらには、参加せず。
ここで、ランベス・ウォークの振りの説明があって、覚えられるらしいのだが、参加しなかったので、全く覚えられず。
ただ、こちらの模様は、ニュース番組でファンサービス、客寄せの一環として紹介されたので、雰囲気はわかった。

開幕前に、オーケストラの演奏がある。
オケメンバーが通路からオケピに入り、演奏したあとで、オケピが沈む。
なんか、素敵だわ!
こういう開幕前の演奏を「オーバーチュア」って言うんですって。
気分が盛り上がるわ。

一足先に観劇した友人によれば、井上くんのビルがおちゃらけていて、プリンスに似合わないということだった。
が、別の友人によれば、2006年に比べたら、格段にコメディセンスもよくなり、ダンスもうまくなっていたそうだ。

どうやら、ハイライトライブ盤CDの発売も決まったようで、今から待ち遠しい。

以下、雑感。




最初から、最後まで楽しくて素敵な舞台だった。
まず、舞台が明るくて華やか。
覚えやすいメロディ。歌詞もわかりやすい。
ちょっぴり切ないシーンもあって、メリハリがある。
退屈なシーンがない。

第一幕
貴族たちが車に乗って、ヘアフォードにいこうと歌っている。
1回目は気づかなかったけど、ヘアフォードに到着すると、車がバラバラになって、トランクになる!
面白い演出だった。

ジャッキー役の貴城けいさん。
とてもきれい。背も高く、衣装も似合っている。
歌は、思っていたよりも、声が出ていない気がしたけど、どうなんだろう?

ジェラルド役の本間憲一さんは、初めて知るお方。
頼りなさそうなお気楽そうなところがよく出ていた。

ジョン卿役の草刈正雄さんは、かっこよくて、独特のしゃべり方がいい。
癖があるから、ダメな人もいるかもしれないけど、私は、ハマった。
ああいう顔立ちだから、舞台でも栄えますね。
ミュージカルなのに、ほとんど歌いません。歌は得意そうじゃないのでちょうどいいかも。

マリア公爵夫人役の涼風真世さん。
ジャッキーとは親子関係ですが、実際、貴城さんと似ている。
次々といろんな舞台で活躍だが、こちらでも、気品と美しさを兼ね備えている。
ただ、役柄的にもっと老けていて、きつい感じではないのかな?
優しい顔立ちなので、見ているこちらも最初から好意的に見てしまう。

ビル役の井上芳雄くん。
衣装が、似合わない。
笹本玲奈さんは、かわいくて似合っているのに、井上くんが着るとださい。
それでも、ビルらしいのは、彼の演技力だろうなあ。
ぽんぽんと飛び出すセリフが小気味よくて、笑ってしまう。

この脚本では、何でも、ひっくり返す言い方が笑わせどころの一つになっているが、わかっていても、笑ってしまう。
「死んだ」が「だーしん」
「書斎」が「さいしょ」などなど。

手品をしながら、ジョン卿の懐中時計をかすめとるところも、面白い。

一族の中で、耳の遠いジャスパー卿が、脇ながら、いい味を出していた。

マリアに何かいい考えはないの?と聞かれて、歌い、踊りだす弁護士のバーチェスターも魅力あるキャラだ。
一緒に踊り出すマリアたちのダンスも、コミカル。
涼風さんって、こんなにコミカルだった?
とっても、キュートに見えた。

ビルは、跡継ぎとわかっても、おさらばしたいのだが、マリアがそれを許さない。
跡継ぎとして教育するという。

ビルは、待たせておいた恋人のサリーを連れてくる。
笹本玲奈さん、かわいい。言うことなし。

で、ここで、「ミー&マイガール」のテーマ曲。
二人でタップ。
かわいいかわいいかわいい。
最後に、テーブルの上に、ちょこんと顔を乗せる二人が、あまりに素敵なカップルなので、涙出そうになった。

執事のチャールズに、「ここにあるものは、すべてだんなさまのものです。」と言われて、たばこや皿や燭台などもろもろと抱えて、車に乗せようとするビルとサリー。
甲冑までも持ち帰ろうとしたら、甲冑が動き出してびっくりした。

場面は変わって、お屋敷の厨房で、使用人たちが、ビルは、紳士になれないというような歌を歌う。
パンをこねている職人が、パンを板にぶつけるたびに、両脇で跳ね上がるメイド。
それぞれの動きも、歌も楽しい。
そこへ、ビルが登場して、ちゃちゃをいれる。
「だんなさまは、友達ではありません。」とたしなめられる。
「貴族は俺を見下ろし、使用人は見上げる。どうしたらいいんだ」と本音をこぼすビル。
このとき、井上くんは、すでに、貴族の衣装。乗馬服を着ていて、似合っている。

部屋に戻ると、色っぽいジャッキーがソファで待っている。
白いガウンの下に、黒っぽい下着が見え隠れ。
一生懸命誘惑するジャッキー。
逃げるビル。
ジャッキーは、もっといやな女なのかと思っていたが、貴城さんのジャッキーは、いやらしくない。
むしろ、男っぽい(笑)。

そこへ、サリーがやってきて、ジャッキーとの間に火花が飛び散る。

ジャッキーが去り、ビルとサリーの歌。
ああ、これも、素敵なシーンだわ。
純粋な二人。

が、ジャッキーが友人たちを連れて、二人を引き離しにやってくる。
ここからは、使用人も、入り乱れて、はちゃめちゃ。
大きなケーキにバターズビー夫人が顔を突っ込んでしまい、手に取った洗濯物(下着)で顔をふいたり。
マリアがやってきて、騒ぎは収束。

マリアは、必死にビルを教育しようとする。
パーティでの接客の仕方をやってみせる涼風さんが、面白くて仕方ない。
うまいなあ。ほんと、うまい。
井上くんも負けていないけど。

サリーが働くパブに来て、お披露目パーティのことを告げるビル。
招待状も来てないし、参加するつもりはないサリー。
ビルが去ったあとに、ジョン卿がやってきて、優しい言葉をサリーにかけるが、サリーは、自分が身を引くことがビルのためだとわかっている。
「君はほんとうに、彼を愛しているんだね。」とジョン卿。
このときのサリーの歌が、めちゃくちゃ切なくて、泣ける。
笹本玲奈さん、いいわー。
いやーん、彼女のエポニーヌ@レミゼも観たくなっちゃったじゃない。

お披露目パーティ。
ビルは、すっかり貴族の格好。井上くん、似合っているなあ。
少々とちりながらの挨拶にも、マリアは、上機嫌。
そこへ、派手で趣味の悪い格好をしたサリーが仲間を連れて登場。
パーティをぶち壊して、ビルに嫌われようとするが、失敗。
「わたし、そんなつもりじゃ・・・」と本音がポロリのサリーに、胸が締め付けられる。

そして、いよいよランベス・ウォーク!
オーケストラがあがってきて、指揮者の塩田さんがノリノリ。

キャストが次々に降りてくる!
最前列の人は、ハイタッチとかしている。うらやましー。
キャストと向き合って、ランベスウォークしている男性もいる。

井上くんが通路を駆け抜けてきた!

楽しい。確かに楽しい。
ただ、2階席で観覧した友人いわく、「2階は蚊帳の外なのよ」とボソリ。
確かに、私が観劇した日も、2階は空席があった。


第2幕

ジャッキーとジェラルドを中心にみんなでタップで踊るシーン。
本間憲一さんって、踊り、うまいんだ。

ビルが立ち直れないぐらいに別れを告げてやってとマリアに言われるサリー。
任せてくださいと。
「泣いているのか?」とジャスパー卿に聞かれて、「そう見えました?笑っているんですよ。」と答えるサリーが健気で涙が出てきそう。
そのあとの、笹本玲奈さんの歌もいい。

書斎で、議会での原稿を考えるビルのもとへサリーが。
王冠をかぶって、衣装を着て、ヘアフォードの歴史を勉強している。
祖先の肖像画を説明するビルに、とぼけて答えるサリー。
わざと言っているのがビルにもばれている。

切なく歌うサリー。
チャールズが車の用意ができたと告げに。


酔っ払ったビルは、マリアの説教を受けていると、先祖たちが、肖像画から飛び出してきて、暴れまわる。
いろんな衣装、メイクのアンザンブルの皆さんが、すばらしい。

マリアに対抗しようと息巻くビル、ジョン卿、パーチェスターだが、マリアがやってくると、腰砕けに。

酔っ払って倒れこんでしまうジョン卿。
マリアへの想いをぼそりと。
自分のことを「ジョンちゃん」と呼んでいると言うのが、大受け。

ビルとジョン卿の歌。
ここで、やっと草刈さんのはっきりした歌声を聞いた気がする。
ビルがジョン卿にキスしてた。

ランベスに帰ったサリーは、ビルが追いかけてこないように、引越しするつもりだ。
そこへジョン卿がたずねてきて、「言葉遣いを直すだけでも違うぞ」と提案する。
マリアとのゲームに宣戦布告のジョン卿。
ここで、ヒギンズ教授の名前が出てくるのが笑える。
「マイ・フェア・レディ」のヒギンズね!

その後、口止め料をミセス・ブラウンに払うジョン卿。
伊東弘美さんが、このシーンだけの登場なんてもったいない使い方だなあ。

サリーを追ってやってきたビル。
ずっとサリーを待つと歌う。「街灯の下で」
いい歌だわー。
しみじみとしていて、しっとりとしていて、心に染み入る。
途中で、サリーと踊るシーンも美しい。これは、夢なのかな?
すっかり、紳士になったビルの心が全く変わってないのに、感動する。

場面は、お屋敷に戻って、元気のないマリアを心配するジョン卿。
サリーがいなくなってから、ビルが別人になってしまったという。
マリアを慰め、本人たちも気づかない30年越しの恋愛の話をする。
それこそ、彼らのことなのだが。

ランベスへの帰り支度をするビル。
ジャッキーも、きっぱりと拒絶する。
ジェラルドに彼女をたたくのは君の役目だとアドバイス。
袖に引っ込んだジャッキーとジェラルドの会話と頬をたたく音(たたき返す音も)が聞こえて、二人がいいムードに。
ここでのジャッキーは、乗馬服を着ていて、とてもかっこいい。
なんだか、これまでのヒラヒラワンピースよりも、似合っている。

去って行くビリーに、マリアがキスをするシーンもいい。

そして、ラストは、ドレスを着てサリーが登場。
笹本玲奈さん、かわいいサリーから、女性らしいサリーへ変身。
扇で、顔を隠して、ビルに話しかけるサリー。

「彼女に再会できたら、なんておっしゃるの?」

扇を下ろしたサリーを見て、ビルが、「てめぇ、どこほっつきあるっていたんだ!」。

で、大団円。

3カップルの結婚パーティ。
ビルとサリーだけでなく、ジャッキーとジェラルド、マリアとジョン卿も幸せになってよかった。

ラストは、もう一度、ランベス・ウォーク。
舞台には、上から歌詞を書いたボードが降りてきた。

またまた、客席降りがあって、井上くんが近くで、帽子をフリスビーみたいにやりとりしてくれた。
間近で見ると、やはり、キラキラしている。

終幕後も、オケの演奏が続いて、楽しい舞台の余韻を感じながら、聞いていた。

想像以上に楽しかった。
もっと通いたかった。
演目自体の吸引力もあるけど、キャストの魅力もかなり大きかったと思う。
誰一人、違和感のあるキャストはいなかったし、フレッシュな主役コンビは、歌も踊りも演技も最高だった。
井上芳雄という俳優は、人をひきつけるものを持っているようだ。
井上ファンの友人が、何もかもに恵まれていると絶賛したとき、実は、私は、「???」と思っていた。
私の中では、彼はイケメンじゃないからだ。
あくのない顔立ちで、育ちのよさを感じるけれど。
だけど、舞台に立つと、変身するんだよね。
願わくば、同世代のライバルが、もっと出てきてほしいのだが。

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