偏愛的独白

ロッケンロールファイヤー

ROCK MUSICAL PROJECT #001『ロッケンロールファイヤー』

2007.2.20-25 全労済ホール/スペースゼロ

作:西川たけし
演出:菅野臣太朗
主題歌:「白い世界」FUNKIST
作曲・編曲:浅見武男
振付:青井美文/KUMI
歌唱指導:一井優希
演奏:豊田幸司(G)金子友宣(B)尾村直志(Dr)浅見 武男(key)      
制作:ネルケプランニング
主催:ロックミュージカルプロジェクト

出演:大関真(劇団SET) 青木堅治(JACKJACK) 根本正勝(JACKJACK)
堀田勝 片根暢宏 西川たけし 横関咲栄 久下恵美(劇団SET) 三浦香深田慶子 賀屋直子 青井美文 KUMI 本間さとみ 鹿野浩美 友池舞衣子 犬飼淳治(扉座) 井上綾子 大場めぐ美 岡本早苗 男庭早香 勝浦香織 加藤昇 草刈輝 近藤麻衣子 斎藤愛 斉藤亜矢 祖父江 美香 角田友佳 冨田裕美子 鳥山幸保 野村かおり 濱田恵子 人見はる菜 福島千紘 松尾清高 馬渕史香 安田有希 山岸浩子 吉野真帆 艾田裕美

青木くん、堀田くん出演ということで、行く気になったんだと思う。
ネルケで、先行があったんだけど微妙な席だった。
普通のお芝居だったら、割といい席なんだけど、2列目の端。
舞台の両端に工事現場のように組まれた舞台装置があって、それが目の前なのだ。でもって、舞台の中央から、客席中央ぐらいまで花道が作られている。
お芝居や歌の部分は問題ないのだが、ダンスになると、斜めから見る形になり、たぶん、かなり迫力減だったと思う。
舞台から続く客席横の通路まで役者が来ることはあったが、お芝居全体を見るには適していない席で、せっかく先行でとったのに、残念だった。
せめて、もう1公演をセンターブロックで観ることができたら、お芝居の印象はかなり違っていたんじゃないかと思う。
それと、この会場の特徴として、スピーカー近くの席はつらいというのがある。音ががんがん響くので、役者の声が聞き取りづらいのだ。

さて、内容だが、日本でオリジナルのロックミュージカルを作り、 ロングランしていこうというコンセプトで、「ロックミュージカルプロジェクト」というのを西川たけしさんが結成されたようで。
全国から出演者を募集し、レッスンを重ね、今回の第一回公演にたどり着いたようだ。
前説として、西川さんが、スーツ姿で登場し挨拶をしたのだが、非常にさわやかな好青年という印象。

日本からロックミュージカルをという心意気には打たれる。この公演は、その第一歩を踏み出したわけであるが、そのできばえは、かなり厳しかった気がする。
音楽は生演奏で、歌もダンスも、決して悪くなかったと思う。主役の数人をのぞいて、ほとんどが無名の人たちだが、熱いパッションは、伝わってきた。
青木くんは、歌はまあまあだけど(^^;)、存在感はあったかな。かっこいいし。根本くんも、かっこよさでは光っていた。
そして、ひときわ、演技が光っていたのは、堀田くんと大関さん、犬飼さん。まあ、当然か。
女性キャストも賀屋さんとかよかったと思うが、残念なのは、パンフに写真だけしか載ってなくて、誰が誰を演じているのかよく把握できなかったこと。キャスト一覧はもちろんあるんだけど、わかりづらかった。

売り文句では、「熱くてマジウ・ザ・イ!」はずなのに、まだそこまで到達していなかった。
観客も冷めていた気がする。キャスト目当ての女性が多かったせいかもしれないが、乗りたいのに、乗れないみたいな。
自然と盛り上がる、熱くなる部分が、もう少し欲しかった。
特に前半は退屈で、どうしようかと思った(^^;)。
後半は盛り上がり、最後は、それなりに感動して幕を閉じた。
素材はいいのに、脚本が物足りないのかもしれない。
それと、ネタ的に、使い古されている気も。
ベタな展開のほうが、ロングランミュージカルにはふさわしいとしても。

音楽は、素敵だった。さすがに一度では覚えられないが、ラストナンバーは、特に心に響いた。

終演後、ロビーに出たら、出演者の皆さんがお見送りをしてくれた。

いろいろ不満も書いたけど、これから進化していくミュージカルという感じなので、次の公演も観にいくかもしれない。

Endless SHOCK 2007

『Endless SHOCK 2007』

2007.1.6-2.28 帝国劇場

作・構成・演出:ジャニー喜多川
出演:堂本光一、生田 斗真、屋良 朝幸(MA)、米花 剛史(MA)、町田 慎吾(MA)、秋山 純(MA)、松本まりか、他

前々から評判は聞いていたが、チケット入手が難しいということで、諦めていた。
このたび、友人から譲ってもらい、行くことができた。
ジャニーズの舞台の質の高さは、以前に観た少年隊の『PLAYZONE』で、ある程度認識していたので、チケット代12000円の価値はあると思いつつ、帝国劇場へ足を運ぶ。(少年隊の舞台も、行けなくなった友人からのチケットであった。)

帝国劇場は、女性ばっかり。いやあ、すごかった。でも、さすが帝国劇場って感じ。日本青年館とは違う~(^^;)。
座席は、古くて、座り心地は悪かったけど。

オープニングのキラキラした感じは、一瞬、宝塚の舞台を思わせる。
乙女心をくすぐるという意味では、共通する部分があるのかもしれない。
現実を忘れて、自分もブロードウェイを目指す若者になったようなそんな舞台だった。
音楽も、思っていたより、素敵で、何よりも、踊りがすばらしい。
さすが、ジャニーズ。完成された美しいダンス。目を奪われた。

ストーリーは、ああいうネタが含まれるので、ちょっとショックだったけど、ジャニーズファン、堂本光一くんファンじゃなくても、楽しめる豪華な舞台だった。ところどころに、ユーモアも取り入れているのも、よかった。
「ハムレット」の一シーンがあったり、豪快な太鼓叩きや、階段落ち、宙を舞う光一くんなど、次から次へともったいないくらいの大盤振る舞い。

あのアクロバティックな宙吊りを、毎日(時には2回)繰り返す光一くんのプロ根性に脱帽。
それを支える質の高いキャストやスタッフにも、惜しみない拍手を送りたい。
お世辞でなく、実力を感じた。
一つだけ、贅沢を言えば、ヒロインの声が違うほうがよかったかな。ダンスは上手だけど、声がかわいすぎて、浮いていたように思えたので。

余談だが、観客のマナーが非常によかったことも明記しておこう。

コリオレイナス

彩の国シェイクスピアシリーズ『コリオレイナス』

2007.1.23-2.8 彩の国さいたま芸術劇場大ホール

原作:ウィリアム・シェイクスピア 
翻訳:松岡和子 
演出:蜷川幸雄
出演:コリオレイナス(唐沢寿明)、ヴォラムニア(白石加代子)
オーフィディアス(勝村政信)、ヴァージリア(香寿たつき)、メニーニアス(吉田鋼太郎)、シシニアス(瑳川哲朗)ほか

シェイクスピア好きの私も、この原作は未読。かたくるしい史劇だろうが、唐沢、白石、勝村というキャストにひかれ、行くことに。
座席は、L列下手寄りだが、劇場が小さいので、全体を見渡せる良席だった。
休憩を含む3時間20分は、かなり体力を消耗したが、圧倒的な芝居を見せられた故の心地よい疲労感ともいえる。

ストーリーは、紀元前5世紀初め、共和制に移行したばかりのローマ。
ケイアス・マーシアスはヴォルサイ人との戦闘で、ローマを勝利に導き、陥落した都市の名前にちなんでコリオレイナスの称号を受ける。
コリオレイナスは執政官に推薦されるが、民衆に媚びることができず、彼の失脚を狙う2人の護民官にそそのかされた平民によって、ローマから追放されてしまう。
祖国への復讐の念に燃えるコリオレイナスは宿敵オーフィディアスのもとへ行き、自分を追放した連中への仕返しを誓う。
ローマ領に攻撃をしかけるヴォルサイ軍。彼はかつての友人メニーニアスさえも無視しローマ侵略を続ける。しかし彼の母、妻、息子までもが嘆願に訪れ、さすがに心動かされるコリオレイナス…。

幕が上がると、全面が鏡で客席が映る。蜷川さんの好きな鏡の演出ね。
舞台には大きな石段。石段をすえたことにより、役者の動きが平面的でなく、上下左右に動き、より客席に近い感じがした。
しかし、役者は大変だったことだろう。衣装をつけて、何度も上がったり下りたり。なのに、それを不自然でなく、演じる面々。

階段の上の扉は、襖のように左右にさっと開くようになっていて、そこに描かれた絵によって、場面を分けている。
菩薩絵のときは、コリオレイナスの自宅。母親のイメージか。
衣装もすばらしい。ローマ時代風でもあり、和のテイストも入っている。

難しいけれど、深く考えさせられるお話だった。
傲慢ではあるが高潔なコリオレイナスと愚かな平民たち。
果たして、自分はどちらなのか。衆愚に甘んじているのではないかと。

唐沢寿明が、コリオレイナスを好演。
それ以上に勝村政信のオーフィディアスがよかった。セリフの一つ一つ、立ち回り、どれをとっても貫禄を感じさせる。
さらには、白石加代子の圧倒的な存在感。
役者と演出がバランスよくかみあっていた。

ラスト、コリオレイナスが亡くなり、お経が流れたときは、諸行無常を感じた。

スウィーニー・トッド

ホリプロ ブロードウェイミュージカル
『スウィーニー・トッド ~フリート街の悪魔の理髪師~』
2007.1.5~29 日生劇場

作詞・作曲:スティーブン・ソンドハイム
脚本:ヒュー・ホィーラー
演出・振付:宮本亜門
舞台監督:二瓶剛雄
主催:ホリプロ、フジテレビ
企画・制作:ホリプロ
出演:
市村正親 :スウィーニー・トッド(ロンドンの理髪師)
大竹しのぶ:ミセス・ラヴェット(パイ屋の女主人)
キムラ緑子:乞食女
ソニン :ジョアンナ(スウィーニー・トッドの娘)
城田優 :アンソニー(スウィーニーを救った若い水夫)
立川三貴:ターピン(高名な判事)
斉藤暁 :ビードル(タービンの片腕)
中西勝之:ピレッリ(イタリア人のインチキな理髪師)
武田真治:トバイアス(ピレッリの助手)
ほか

城田くん出演ということで、チケットをとったわけですが、12600円って、高いよー(涙)。
席は1階L列端。
あとから知ったのですが、脚本のヒュー・ホィーラーは、「二人の妻を持つ男」などをパトリック・クェンティンと共同執筆していた方だそうで、ミステリ好きにはちょっと興味深い事実です。
先に観にいった友人から、いい評判と悪い評判を聞いていたので、ニュートラルな気持ちで観劇。千秋楽近かったので、初日よりはよくなっていることを期待して。
入口で、相関図つきのリーフレットをもらったので、大体のストーリーはわかりましたが、ある人物の正体がネタバレ気味で残念でもありました。

ストーリーは、19世紀末のロンドン。好色なタービン判事に、妻を横恋慕され、無実の罪で流刑にされた床屋のスウィーニー・トッド。
若い船乗りアンソニーに助けられ15年ぶりに街に戻ったトッドは、妻は自殺し、娘はタービンに養育されていることを知る。判事への復讐を期して、ロベット夫人のパイ屋の2階に床屋を開く。
店は繁盛するが、昔のことを知る客に恐喝され、殺してしまう。
死体の処理に困ったトッドと、パイの肉の仕入れで困っていたロベット夫人は、恐ろしい考えにたどり着く。
いわゆる人肉パイの話です(^^;)。
一方、アンソニーは、偶然知り合ったジョアンナと恋に落ち、駆け落ちを企てるが…。

全体的に暗く、おどろおどろしい舞台でした。
それと、ミステリ的に楽しむ以前の問題が(^^;)。

何を言っているのか、歌っているのか、今イチ聞き取れなかったんですね。
舞台装置はすばらしいと思ったんですけど。
ストーリーも、(怖いけど)面白いので、ミュージカルじゃなくて、むしろストレートプレイのほうがよかったんじゃないかと。
まあ、ブロードウェイミュージカルですから、本場で観れば違うのかもしれませんが。

トッドの狂気、恐ろしかったです。
判事に対する殺意はわかりますが、次々と、客の喉をかききっていく様子は、震えが来ました。
市村さんの演技ならではでしょう。貫禄があり、すばらしかったと思います。
大竹さんも、役にぴったりで、笑いもとりながらの熱演でした。恋する気持ちに隠された心の闇も、恐ろしく哀しいものでした。
ただ、歌がちょっと。聞いていて疲れてしまいました。
城田くんもかっこよかったのですが、テニミュではあんなに飛びぬけて上手でも、一般の舞台では、目立たなくなってしまうのですね。でも、それは、経験の差だと思います。
主役たちの歌の微妙さは、ほとんどの方が感じていたようですね。
私も、この舞台は、成長を観る舞台ではなくて、完成されたものを観る舞台だと期待してましたので、残念でした。