偏愛的独白

メタル マクベス

新感線☆RS『メタル マクベス』 青山劇場 2006.5.16~6.18

原作:ウィリアム・シェイクスピア
脚色:宮藤官九郎
演出:いのうえひでのり
出演:ランダムスター、マクベス内野(内野聖陽)、ランダムスター夫人、ローズ、林B(松たか子)、レスポールJr.、元(げん)きよし(森山未來)、グレコ、マクダフ北村(北村有起哉)、エクスプローラー、バンクォー橋本(橋本じゅん)、グレコ夫人、シマコ(高田聖子)、パール王、ナンプラー(粟根まこと)、レスポール王、元社長(上條恒彦)、
右近健一、逆木圭一郎、河野まさと、村木よし子、インディ高橋、山本カナコ、礒野慎吾、吉田メタル、中谷さとみ、保坂エマ、皆川猿時、冠徹弥、村木仁、川原正嗣、前田悟、横山一敏、藤家剛、佐治康志、矢部敬三、葛貫なおこ、角裕子、池田美千瑠、嶌村緒里江

大人気の舞台で、チケットも完売。私も誘われなかったら、いけなかっただろう。
シェイクスピアは好きだけど、以前観た新感線(+ホリプロ)の舞台が全く肌に合わなかったので、ずっと敬遠していた。
ところが、4時間(休憩25分)という長い舞台にもかかわらず、面白くて、楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまった。
いやー、びっくりである。あの「マクベス」を、こんなに面白くしちゃうなんて!(かつて、「マクベス」の舞台を観ながら寝たことがあるので。)オリジナルの舞台ならわかるけど、「マクベス」をここまで作り上げることの出来たスタッフに感動。特に、脚色のクドカンが、うまいんだろうなあ。彼は天才だよ~。
原作を核として、新たなストーリーが作られているんだけど、それも飽くまで「マクベス」なの。(←うまく説明できなくてすみません。)
音楽も、がんがん響くだけで、わけがわからないのでは?と心配していたけど、大丈夫だった。割と、普通のロックだった。
そして、役者たちが、すばらしい。自由自在に舞台の上を駆け巡っていた。
主役の内野聖陽を舞台で見るのは初めて。ドラマより、こちらのほうが私は好きだなあ。カーテンコールも、ノリノリで、真面目な外見とは180度違う顔が見られた。歌は、ロックなので、うまいのか下手なのか、実はよくわからなかった(^^;)。
松たか子も別にファンじゃないけれど、安定した演技で存在感を示していた。
個人的に注目したのは、北村有起哉。役柄もせいもあるけど、非常にかっこよかった。また、森山未來も、タップが上手と噂には聞いていたが、本当にうまかった。元きよしという演歌歌手役が、非常にハマっており、輝いていた。
唯一の不満は、粟根まことの出番が少なかったことかな。
クドカンには、ほかのシェイクスピア作品もぜひぜひ脚色してほしい。


スラブ・ボーイズ

TPT フューチャーズ55th『スラブ・ボーイズ』 ベニサン・ピット 2006.5.18~6.4

作:ジョン・バーン
演出:千葉哲也
出演:スパンキー(進藤健太郎)、ヘクター(倉本朋幸)、フィル(山崎雄介)、アラン(河合龍之介)、
ルシール(大貫杏里)、ジャック(池下重大)、セイディ(安奈淳)、ウィリー・カレー(千葉哲也)

ベニサン・ピットも、以前よく通った懐かしい劇場だ。久々に行くことになったのは、キャストを見ればわかると思うが、河合龍之介が出るから。テニミュの日吉若役。
700人超のオーディションで選ばれた若手俳優たちの舞台を、千葉哲也が演出。
座席は3列目の端だったが、前列がなかったので、よく見えた。若手目当ての女性ばかりかと思ったら、意外に年配客も多く、安奈淳ファンかな?と思ったり。
2時間40分(休憩10分)という長い舞台。しかし、眠くなることも飽きることもなく、必死に観てしまった。骨太で真面目な脚本に、普通は辟易としそうなのに、若者達のほとばしる熱情が伝わってきて、舞台から目が離せなかった。長いセリフも気にならなかったのは、私が翻訳劇に慣れているせいかもしれない。
(パンフより)物語の舞台は、、1957年の冬、スコットランド、グラスゴー近郊の絨毯製造会社。デザインルームに隣接する小さな部屋「スラブ・ルーム」。ここで働く若者たちは、来る日も来る日もせっせとデザイナーのために絵具を挽き、こね、皿に移すのくり返し。手に届きそうで届かない色とりどりの世界にあこがれ、「監獄」脱出を渇望する「スラブ・ボーイズ」たち。
スラブ・ボーイを演じる3人(進藤健太郎、倉本朋幸、山崎雄介)の熱演が、印象的だった。彼らの不満、悩み、夢、家庭環境、いろんなことがまざりあって、胸苦しかった。新入りのスラブ・ボーイを演じた河合龍之介は、お坊ちゃん風で、よく似合っていた。演技は、かたいが、初々しさはあった。
スラブ・ボーイの仲間意識、ライバル意識、上司との関係、マドンナに対する思いなど、さまざまなことが浮き彫りになる。スラブ・ボーイの中にも微妙な上下関係があって、いつもいじられるヘクターのシーンは、かわいそうと思いつつ、おかしくて笑ってしまった。
そして、友情はすれ違い…ラストシーンが切ない。クビになる者、残る者、抜け出す者のそれぞれの道を複雑な思いで見送る私がいた。
若手では山崎雄介の個性が光っていた。それに、我が家にきた壁紙職人さんに顔がそっくりで(^^;)、ほんとの職人みたいに思えた。
また、お茶とお菓子を売りに来るおばさん役の安奈淳。貫禄あるね~。出番は少ないけれど、存在感があった。
不満だったのは、パンフレット。台本が載っているんだけど、この芝居は、台本なんか読んでもちっとも面白くない。演じてこそ面白い。なのに、パンフレットのほとんどが台本だなんて、いただけない。 


30-DELUX『オレノカタワレ』

30-DELUX The Fifth Live『オレノカタワレ』
2006.5.24~28 シアターサンモール
2006.6.2~6.4 インディペンデントシアターセカンド

脚本:米山和仁
演出:毛利宣宏
出演:時枝三四郎(佐藤仁志)、時枝ニ々郎(タイソン大屋)、時枝一二郎(清水順二)、風祭ジョー(岡田達也/森下亮)、灰原武彦(石原善暢)、桐生つかさ(吉村やよひ)、小野寺修(宮城健太郎)、印南風子(沢樹くるみ)、吉岡喜八(森大)、小津裕樹(梶武志)、新海猿丸(長岡仁也)、南方昭信(赤木山伍里蔵)

30-DELUXというのは、タイソン大屋(劇団☆新感線)、佐藤仁志、佐々木智弘(Afro13)、清水順二の4人、ギリギリ?ボーイズが立ち上げた激空間ユニットとのこと。
元キャラメルボックスの佐藤仁志も気になったし、何よりキャラメルボックスの岡田達也が客演ということで、観にいく。同じくキャラメルの若手俳優・石原善暢も出演。前から5列目センターといういい座席だった。
寂れた劇場、どさまわり劇団「時座」の最後の幕が上がる。座長三四郎は、彼の「カタワレ」であった風祭ジョーへの熱い想いを語り始める…切ない男のラブストーリーとチラシにある。
ううみゅ、確かに、ラブストーリーであった(爆)。
どさまわり劇団という設定のため、出演者のほとんどが着物姿。
いわゆる小劇場系の台詞回しなのだが、早口で、がんがんしゃべる場合、滑舌がよく声が通らないと、ただ、どなっているだけのように思えて、せっかくの台詞が生きない。佐藤仁志は、気合が入りすぎちゃったのか、台詞が聞きづらかった。
ストーリーも、導入部分は、面白くない。
ところが、岡田達也が登場した途端、風が変わった。いやあ、天晴れ!脚本の上でも、オーラのある役者という設定なのだが、実際、オーラ出まくりで、芝居が引き締まった。
ほかの役者達が特別に悪いわけではないのに。同じ役を大阪公演では別の俳優が演じるらしいが、果たしてどうなのか。
佐藤仁志が女形役者を演じたり、女装したりして、美しかったが、顔立ちから安達祐実を思い出してしまって(^^;)。
お笑い部分では、ホストクラブのシーンが一番笑ったかな。
クライマックスでは、信長と蘭丸を、岡田と佐藤がそれぞれ演じ、圧巻であった。
それなりに楽しめたが、岡田達也がいなかったら、つまんなかったかも。いつも、脚本が大事とか言ってる私だけど、今回は役者も大事と思った。
そういえば、前説も面白かった。携帯マナーの注意のとき、今なら自分を撮ってもいいですよって。ほとんどの人が撮らなかった(笑)。